あの頃に返って・・・。
2010-06-24


禺画像]
“大きな古時計”という歌はみなさんご存知でしょう。大きなのっぽの古時計・・・と始まり、お爺さんと共に歩んできて、今は時を刻まなくなってしまった時計を歌うもの。全てを見てきた時計・・・。シンプルな詩に秘められた思いが、何とも心を打ちます。

私事ですが、つい先日ある友人たちと30年ぶりぐらいとなる再会を果たしました。まだ本当に幼かった頃、音楽教室で一緒に勉強(子供時分の私には遊びの気分だったかもしれません。)してきた仲間と先生です。久々に会った瞬間、あまりのブランクに一瞬の戸惑いがあったものの、今も残るあの面影に出会い、一気に懐かしい昔に戻りました。それぞれが、それぞれの思いを秘め、それぞれの道を歩んで来たことを実感し、その事への言葉にならない感動と、今の自分の音楽人生があるのはこの時が始まりだったんだな・・というあふれんばかりの感謝の気持ちがいりまじった、何とも言えない感覚を受けました。

情報にあふれ、何もかもが忙しく過ぎて行く世の中で、ふと足を止めて童心に返ることすらなく、ひたむきに進んできた気がします。

音楽は、時を超えて私たちの心を満たしてくれます。今回お届けする作品の中に、ラヴェルのマメールロワという作品があります。これはマザーグースのこと。Ravel自身が知り合いの子供のために書いたというこの作品には一寸法師、美女と野獣、眠れる森の美女・・・そんなみなさんが耳にした事のある童話がちりばめられています。

みなさん、ちょっとひととき時計を止めてRavelと共にあの頃に戻ってみませんか?

村田理夏子
[ブログパスカルドゥバイヨン・村田]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット